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高齢からの創作

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いささか年をとりましたが創作にトライします
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ミョウチン登場

2018/01/14 23:12
 新たなキャラクターとしてミョウチンさんが登場する。妙珍と書く。奇妙なことを言い、珍な振る舞いをする御仁である。どうも禅宗の僧侶のようだが、本物かどうかは疑わしい。ゼンキュウとミョウチンの問答はなかなか面白い。
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戦いから逃げるな

2018/01/06 17:50
 ゼンキュウさんがぽつりとつぶやいた。
「シャーリーくん、わたしは戦いが苦手だ。争いは嫌だ」
「誰だってみんなそうたど思います」
「では、戦うことなしに生きていけるだろうか」
「できません」
「では、戦いになる前に負けてしまったら、静かに生きられるかな」
「その場で死ぬ。あるいは、やがて死に追い込まれてしまうでしょう」
「この命をまっとうするには、ときに戦い、やはり勝たねばならない」
 ゼンキュウさんの話は続く。
「人と人とが憎しみあうのは、そう短期間でのことではない。長い時間をかけて、利害がぶつかり合い、繰り返されての末のことだ。ところが、出会った一瞬に憎しみを向けられることがある。あるいは会ってもいない何かに憎しみを向けられている。そんな直感がはたらくことがある」
 いつものことだが、ゼンキュウの言うことは、だんだんと支離滅裂な方向に向かっていく。
「思うに、誰かが私に憎しみを向けるとき、その人の意識でコントロールできない、たとえば自立神経のようなものが騒ぐ。神経ではないのだが、そのようなものがあると私が思っている、そいつが脳の中に這い出して、口を使って悪意を露出し、ときには拳をつかって暴力をする。あるいは陥れようと悪企みをする」
 しだいに恨み言になってくる。
「私の行く手を、ことあるごとに遮り、道をふさぐ。ときに意地悪な落とし穴を掘る。正体が定かでない質量のないエネルギーの存在。そんな敵に出会ったときには、気持ちを強く持って、闘争心を高めることだ。負けてたまるかと。そう、戦いから逃げてはいけない。その戦いは、誰か人を負かすのではない。襲い来る宿命的な試練に、ちょうと人体の免疫力で病原菌に対抗するような、自分の中での戦いなのだよ」

 
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仏様にもボディーガート

2017/12/31 11:28
 「三蔵法師の天竺への旅は、途中で次々と妖怪たちに命を狙われる。そのつど法師を守るのが三匹の妖怪、孫悟空、猪八戒、沙悟浄だ」
 ゼンキュウの話はまだまだ続く。
「偉大な僧といえど、常に魔物に狙われる。偉大な僧の念力をもってしても魔物の撃退はできない。妖怪の武力で追い払うしかない。大きな寺に行くと、山門で仁王という、とても恐い形相とパワーに満ちた守衛が見張っている。本堂では、お釈迦さま、如来さま、菩薩さま、その脇を四天王という、これまた野獣のような顔をした、身軽でフットワークのよさそうなボディーガードが四方に目を光らせている。仏様であっても、このありさまだ。つまり天界も常に戦いの世界であるのだから、人間界に争いが常なのは当たり前のこと。争いは自然の風雨や嵐のごとし」

 
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西遊記もお教?

2017/12/31 11:01
「シャーリくん、孫悟空の話を知ってるね」
「はい、もちろん」
「あれ、ホラーだね」
「そう言えば、そういう見方もありますね」
 ゼンキュウ法師の、けったいな話は続く。
「孫悟空も、猪八戒も、沙悟浄も、どれも妖怪。三蔵法師一行の行く手に次々と現れ、襲いかかるのも妖怪。正義の味方も、悪役もみな妖怪だ。人間を妖怪キャラクターにしているようにも見えるし、この世のものではない妖怪を人間界に出現させたとも見える」
 シャーリは、話し出すと止まらないゼンキュウに、ただ相槌をうっている。
「三蔵法師は玄奘三蔵。膨大な数の仏教の経典、お経を、中国語に翻訳した偉大な僧がモデルとされている。孫悟空の物語、西遊記は仏教を大衆に広めることを目的とした、ある種の経典、お経のひとつ」
 シャリーは「お、面白くなってきた」と思いつつ、じっと聞いている。
「ひるがえって、法華経なんかは壮大な物語で、それ以前からの経典もみんな、作家が書いた文芸作品なのだと言える。そこには作家の空想、深い学びや研究の成果、そして先達の教え、さらに民衆の中で伝承され語りつかれてきたことがら。総じて、時空を超えた、あまたの人間のインスピレーションの共有がある。けっして一人の、あるいは特定の集団による捏造ではなしえない不思議に満ちている」
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不思議な世界感

2017/12/29 10:11
 シャーリーさんは、ゼンキュウさんに、たずねました。
「お教の世界観って不思議ですね。大昔の物語であり、現代風のエスエフやファンタジーのようで、ときにホラーのようにも感じます」
「確かに、時空を超えた、始まりも終わりもない不滅で永遠の世界感だね。今この時点の話にもなるし、未来永劫に続く話でもある」
「一瞬わかったように感じても、すぐにまた彼方に遠のいてしまうようです」
「だが、一人の一瞬のインスピレーションが、同時に幾万の人々の共通の感覚なのだろうから、それが言葉として記録されたとき、誰かの空想による文学作品であるとともに、それを超越した不思議な生命力の証書になっている。お教とは、そんなものに思えます」


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シャーリくん

2017/12/25 15:33
シャーリー君は、どうやら外国から来ている人のようだ。直接に話を聞いたわけではないので、国籍は不明。きりっと整った美しい顔の青年だ。体つきは小柄でスリム。いつも柔和な笑顔を絶やさない。


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天敵の子孫

2017/12/21 10:39
「ここは、お前の来る場所ではない。はやく出ていけ」と何者かに告げられているような感覚を覚える場所がある。
そして、そこに居続けると悪いことが次々と起こる。
かつて、この場所で私自身が何かをしたわけではない。初めての場所や、ときどき通り過ぎる場所に、たまたま足を止めただけ。
「お前には俺たちの天敵の血が流れている」
「私の祖先が、あなたたちに迷惑をかけたのですか?」
「直接ではない。お前の受け継いでいる魂のDNAの中に、遠い昔に、かつて俺たちの天敵だったものたちの印が刻まれている。俺たちは、それを感じ取る。それが実に苦しい。お前に責任をとれとは言わない。だから、用があるなら、さっさと済ませて、早く俺たちのテリトリーの外に出ていけ」
「あなたは何なんですか?」
「教えてもいいが、お前がそれを知るときは、死ぬ時だ。それでもいいか?」
「いえ、けっこうです」


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